抗体検査は自分でできるの?【抗体検査がわかる:第3回】
新型コロナウイルスの抗体検査には、実はさまざまな種類があります。病院で受けるものもあれば、自宅で簡単に行える検査キットもあります。また、抗体量を数値で確認できるものもあれば、抗体の有無しか調べられないものもあります。
本コラムでは、抗体検査の種類、それぞれのメリット・デメリット、検査の実施手順について詳しく解説します。
「抗体の有無のみを判定する検査」と「抗体量を数値化できる検査」
新型コロナウイルスの抗体検査には、抗体の有無のみを判定する検査(定性検査)と抗体量を数値化できる検査(定量検査)の2種類があります。
<新型コロナウイルスの抗体検査の種類>
抗体の有無のみを 判定する検査 (定性検査) | 抗体量を数値化できる 検査 (定量検査) | |
---|---|---|
検査対象 | 新型コロナウイルスに対する抗体 (抗体の種類はキットやサービスにより異なります。 販売名称としては、中和抗体、IgG、IgM、スパイクタンパク質に対する抗体などの記載があります。) | |
測定場所 | 自宅で採血 →その場で結果を確認 | 病院または自宅で採血 →検査施設へ発送 |
測定時間 | 5~15分 | 1~2日 |
検査費用 | 約2,000~3,000円 | 約5,000~10,000円 |
メリット | ・短時間で行える ・費用が安い | ・抗体を数値で確認できる |
デメリット | ・抗体を数値で確認できない | ・結果確認までに数日要する ・費用が高い ・受診または郵送が必要 |
定性検査は、Web上で「迅速検査」「スピード検出」という説明で販売されているもので、測定時間が短く費用も安く抑えられます。ただし、ご自身の抗体量を数値で確認できるものではないため、「抗体量が今どれくらいかを調べたい」と思われている方には不向きです。
2023年2月25日時点で、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えたのは、全人口の77%を超えており、多くの方が多少なりとも新型コロナウイルスの抗体を保有していると言えます。つまり、定性検査を実施したとしても、多くの方の結果が「抗体あり」となることが予想されます。
一方、定量検査は測定に数日の時間を要しますが、抗体量を数値で確認でき、新型コロナウイルスへのかかりにくさの程度をより詳しく知ることができます。抗体を保有していることが分かっても、量が少なければ新型コロナウイルスに対する防御能は低くなってしまうため、具体的な抗体量の数値を調べることは重要であると言えます。
また、病院へ受けにいく以外に、自宅で簡単に行える検査サービスもあります。その場合は自宅での採血後に検体を検査施設へ郵送します。
「抗体量を数値化できる検査」は、受診/郵送が必要なのはなぜ?
「抗体量を数値化できる検査」は、ELISA法または類似のECLIA法という検出法が用いられています。この検出法の結果判定には、専用の試薬と高度な検査機器が必要であるため、採血後に検査施設へ検体を発送する必要があります。
なお、病院によっては、試薬と機器を持っており、病院内で測定ができることもあります。
一方、「抗体の有無のみを判定する検査」は、イムノクロマト法という検出法が利用されています。この検出法は、妊娠検査薬にも使われているもので、検体を滴下して一定時間放置すると、結果を目視で確認できます。特別な検出機器を必要としないため、自宅で簡単に行えます。
「抗体量を数値化できる検査」の実施手順-自宅で採血できる検査サービス
「抗体量を数値化できる検査」は、”病院で受ける”または”自宅で採血して発送する”の2つの方法があります。今回は、自宅で採血する検査サービスの実施手順について、株式会社リプロセルが提供する「コロナ抗体量免疫検査」を例に紹介します。
<抗体量を数値化できる検査サービスの実施手順>
1. Webサイトから申込み
2. 採血キットが発送される
3. 自宅で採血
4. 血液を検査施設へ発送(ポストイン可)
5. 検査施設で検査
6. Web上のマイページから結果を確認
「1.Webサイトから申し込み」~「3.自宅で採血」は自宅で行えるため、病院で受ける検査のように移動時間や待ち時間が必要ありません。ご自宅で採血したあとの発送は、ポストインも可能なため、お近くのポストに投函するだけです。検査結果もスマホで確認できるため、再度通院する必要がなく、仕事が忙しい方や受診する時間がない方におすすめです。
血液の採取方法は、以下の通り専用器具を指先に押し当てるだけで、操作は簡便です。血液の採取量も微量であるため、どなたでも短時間で行えます。
<検査キットの専用器具による血液の採取方法>
株式会社リプロセルの抗体検査キットの費用は、4,800円(税込み・往復送料込み)です。新型コロナウイルスに感染した方や以前ワクチンを打った方けれど少し時間が経ち、身体に抗体量がどれくらい残っているか数値で確認したい方は、ぜひ検討してみてください。